焙煎のへこだわり

焙煎のへこだわり

ワルツ生活

おいしいコーヒーは人の手から生まれます

ワルツの焙煎のこだわりを教えてください。

半熱風式焙煎機を使ってじっくりと時間をかけて焙煎を行っていることが、第一のこだわりです。
時間をかけて焙煎したコーヒー豆は、劣化がゆっくりと進みます。120キロ、45キロ、22キロという大きさの違う3台の機械を、ニーズに合わせて使い分けています。
また、当社では炭火焼焙煎機も使っており、こちらはガスを一切使わずに備長炭のみで焙煎を行っています。
炭火焼焙煎の特徴は、コーヒーに炭の香りがすることです。遠赤外線によって中まで火が通り、しっかりとした味のコーヒーになります。
焙煎後の豆をブレンドしたり粉砕したりする際に、途中で必ず人の手を使うなど、一つひとつの製品に工数をかけていることも当社のこだわりです。

ワルツの焙煎のこだわりを教えてください。

おいしいコーヒーをつくるために、どのようなことを意識していますか?

一番の基本は、焙煎のムラをなくすことです。すべてのコーヒー豆にちゃんと火を通すことを意識しています。また、商品ごとの焙煎度合い(焙煎の深さ)を均等にすることも重要です。
コーヒー豆というのは農産物なので、毎回状態が同じではありません。水分の量が違ったり豆の出来上がりが違ったりします。また、焙煎後に豆の色を見て「浅いな」と思っても、実は深く煎られていることもあり、判断は簡単ではありません。その調整をコンピュータではなく職人の手で行っていることが当社の特徴です。最終的には焙煎の深さ(L値)を測る機械を使い、基準に合っていることを確かめます。

焙煎には高い技術が必要だということですね。

焙煎には高い技術が必要だということですね。

そうですね。あくまで当社の中の話ですが、ちゃんと豆を煎ることができるまでに4~5年かかると言われています。たとえば、私は数年前から炭火焙煎を担当しているのですが、ガスの焙煎に比べて火力が安定しないので、火力に応じた調整方法を考えながら焙煎する難しさがあります。
「こうしたらどうなるかな?」とあれこれ試し、安定した焙煎ができるようになるまでには、やはり一定以上の期間が必要になります。

商品の種類によって焙煎度合いをどう変えていますか?

当社の商品は、ミディアムローストからハイローストあたりの「中煎り」のものが多いです。また、キリマンジャロとかモカマタリといったシングルオリジン――いわゆる「単品」の豆も置いていますが、そういう豆は若干「浅煎り」にしています。単品の豆は繊細な味のものが多いので、浅めに煎った方がポテンシャルを引き出しやすいのです。

商品の種類によって焙煎度合いをどう変えていますか?

コーヒーの味はどのような方法でチェックしていますか?

当社のコーヒーセンター(焙煎工場)で、毎日テイスティングを行っています。焙煎したコーヒーに異臭がしないことを確かめ、甘みや酸味などの特徴がちゃんと出ているかをチェックします。
また、「コーヒーが軽くなりすぎていないか」など、全体的なことも見極めます。当社では、J.C.Q.A.という機関の「コーヒーインストラクター1級」に認定されたスタッフがテイスティングを行っています。

コーヒーの味はどのような方法でチェックしていますか?

鮮度の高いコーヒーを販売するために意識していることを教えてください。

鮮度の高いコーヒーを販売するために意識していることを教えてください。

ワルツのRCS(レギュラーコーヒーショップ)では、製造から1か月半以上経ったコーヒー豆は販売していません。コーヒー豆は焙煎から時間が経つほど劣化するので、常に新しいものを販売しています。また、コーヒーセンターでは、焙煎してパッキングされたコーヒー豆をその日のうちにすべて出荷していて、在庫は置いていません。

コーヒー豆の鮮度が重要だということが分かりました。常に新鮮な豆を買った方が、おいしいコーヒーを飲めるということですね。

はい。私たちの希望として、できるだけ小まめに豆をご購入いただきたいと思っています。RCSではコーヒー豆を100グラム単位で販売しているので、可能なら100グラムずつ買っていただいて常に新しいものを召し上がっていただくのがオススメです。
でも、それだと手間がかかるので、実際は300グラムや500グラムずつ買われる方が多いです。その場合はできるだけ粉ではなく豆の状態でご購入いただき、ご自宅で挽いていただければと思います。ミルをご用意いただいて飲む直前に挽くのが、おいしく召し上がっていただくポイントです。

豆の新鮮さを確かめる方法はありますか?

豆が新鮮な状態だと、ドリップでお湯をさした時に粉がぷくっとふくらみます。あのふくらみは、コーヒー豆の中に入っている炭酸ガスが放出されたものです。炭酸ガスには香りの成分が含まれているので、粉がふくらむ時の方が香り高いコーヒーを飲むことができます。

豆の新鮮さを確かめる方法はありますか。

コーヒー豆の保存方法についても教えてください。

コーヒー豆の保存方法についても教えてください。

光に当てないことと、酸素に触れさせないこと、高温多湿を避けること。この3つが基本です。また忘れがちなことですが、コーヒーには臭いを吸収する性質があるので、密閉して保存することも大切です。理想的なのは、豆を密閉した容器に入れて、ワインセラーのような場所で保存していただくことです。毎回必要な分だけ出して使えば劣化しにくいと思います。

自宅でコーヒーを楽しむためのアドバイスをお願いします。

ぜひ、いろんな種類のコーヒーを試していただきたいと思います。もちろん、「昔からこれを飲んでいるから」と銘柄を決めていただくのも良いのですが、いろんな種類を試す中で自分に合ったものが見つかることもあります。RCSでご購入いただく際は、「真ん中くらいの深さの豆はどれ?」「次はもう少し深いものを飲みたい」などとスタッフに気軽にご相談いただければと思います。お店でのコミュニケーションも含めて、コーヒーを楽しんでいただけたらうれしいですね。

自宅でコーヒーを楽しむためのアドバイスをお願いします。
藤田 直也
J.C.Q.A.認定
コーヒーインストラクター1級
生産グループ マネージャー 
佐藤 大輔